「LAST SHOW」

苦しかった・・・心臓を鷲掴みにされたような状態で2時間。気がついたら風間杜夫さんを物凄い目で睨みつけていました。それほど風間さんが恐ろしく、憎らしかった。
暴力的でグロい、胸の奥の方をガサガサ探られるような、気持ちのいい話じゃありません。所々笑えるシーンがありましたが、ワタシは殆ど笑えませんでした。以下ネタバレがあるのでたたみます。
暴力やグロさに過剰に反応しすぎたのかもしれません。でもね〜刃物を突きつけられた女の人(永作博美さん)に「好きと言え」と凄む男(風間さん)、その男の声がちょっと裏返った位じゃ笑えない。え?今の笑うところ!?ワタシの隣に座っていたご婦人は笑い上戸なのか、ちょっとしたことでケラケラ笑う。
終盤、突然あらわれた市川しんぺーさん(キャストに名があるのに「なんで出演してないんだろう?」と思っていたら、最後の最後にチョットだけ出演。ものすごくインパクトのある役で)に笑いっぱなし。でも彼が何者なのか判った瞬間から笑えないと思うの。そして彼が去って行くシーン、そりゃ可笑しいよ「便器の中」に消えて行くのだから。でもその前の永作さんとのやり取りを観ていたら笑えないよ、思い出しただけで泣けてくるよ。
感じ方は人それぞれで、どこで笑おうと、どこで泣こうと個人の自由なの。笑えないワタシにも問題があるのは判っているのですが、あそこまで笑えるご婦人に軽い恐怖を覚えました。それって結構この作品に通じるところがあるんじゃないかなぁ・・・その人には普通のことが、他人には恐怖だったり脅威だったりすること。なんて鳥頭なりに考えたり。
役者さんは皆さんすごく良かった〜風間さんはもうなんだか判らないくらい怖かったし、永作さん&北村さんはどこか現実味のない若夫婦を可愛らしく(永作さん本当に可愛かった)、古田さんは愛した結果がそれですか!?な男を可笑しくも悲しく、中山君は非常識なようで、意外と常識のある男を好演。市川しんぺーさんは反則!あれは反則だよ〜でもすごく可愛かった。
一度は観に行くのを諦めた「LAST SHOW」、行って良かった。ずしんとくる作品でした。