初蜷川演出。

「KITCHEN」を観てきました、初めての「蜷川演出」あの灰皿投げちゃう蜷川さんです、とってもおっかない蜷川さんです。どんな演出なのかしら?ちょっと取っつきにくそう・・・なんて思ってましたが、全く問題なし!意外とスンナリと入れました。
以下ネタバレありです(あ!ストーリーは書いてません)
今回舞台は中央、ワタシが座った席は本来「舞台」の上。野田さんの「赤鬼」でもこんな感じでした。中央に大きなレストランの厨房、すごいなぁ何もかも本物(終演後、舞台の近くで見て来ました)大きな寸胴鍋や、鉄のフライパン、厨房そのものです。
とても繁盛しているレストラン、その厨房が舞台。コックにパティシエ、下働きの男の子にウエイトレス。総勢20人以上!すごい大所帯です。ストーリーを進める人達(台詞のある)の芝居と、その周りで台詞はないけど調理する者、ウエイトレスにちょっかいをだす者と、それぞれ演技しているのでもうアップアップ(´Д`;)メインのお芝居を観たい、でも周りの人達の演技が良いのでついつい目がいってしまう・・・
大人数ながら、それほど複雑でない人間関係(判りやすい対立、色恋沙汰、友情)ちょっと判りにくいイギリスの事情。映画「リトルダンサー」を観た時にも感じたあの感じ。
役者さんは皆素敵!台詞の少ないウエイトレスさんだって皆魅力的。厨房のコックさんはイケメン揃い。いやぁ男前が多かったなぁ今日の舞台。成宮君は言わずもがな、高橋洋さん須賀貴匡さん長谷川博己さん・・・他にも「ヒャー( ゜∀゜ )カッコイイ」と顔がニンマリしてしまう俳優さん揃い、こんな舞台初めてです。もちろん皆様カッコイイだけじゃござんせん。演技もバッチリ。ちょっとね、ほんのちょっと成宮君力入りすぎかなぁと思ったりする所もありましたが、メインだからね、力入っちゃうよねと思える範囲(ワタシはそう思いました)
そして杉田かおるさん、杉田さんはベテラン女優さんだけど、舞台はどうかしら?なんて危惧はナッシング。声もよく通るし、姿勢が良くて立ち姿が綺麗。テレビで観るよりずっと綺麗だよ姉さん。
蜷川さんの演出は、気が抜けるほどスンナリ入り込めました。もっと「蜷川節」的なくせのある演出なのかなぁと思っていたのです。奇をてらった感じや、観客を突き放した感じもなくて。思いのほかスッキリしてる(と感じました)
それにしてもこのお芝居、何故か「チケット救済掲示板」で多数見かけます。Yahooオークションも定価割れが結構あったなぁ・・・今日の劇場も空席がポツポツとあって、掲示板で引き取って貰えなかったのかなぁ、なんて考えちゃいました。勿体無いなぁチケット取ったなら観に来てよぉ・・・面白かったですよ
〜今日の「う〜ん、わからん」〜
今回のお芝居、客席通路で演技する場面が結構多くて、ワタシなんかはメインのお芝居が通路だと通路にいる役者さんを観てしまうのですが、絶対に観ない人がいらして驚きました。ちょっと首を曲げたらすぐ横で演技している役者さんの、迫真の演技が観れるのになのに何故!?何かにとりつかれたように真正面を向いたままって・・・勿体無くないですか?
〜今日の功労賞〜
今日のお芝居で一番すごかった人。それは「じゃがいも君」です!ずーっと、本番中も休憩中も、ずーっとじゃがいもを剥いている男の子が舞台の端っこにいるんです。小刻みに揺れながら、手をずっと胸の高さに保って(これ疲れると思うなぁ)実際にイモを剥いたり、剥くふりをしたり。3時間半ずっとですよ(´Д`;)すごいと思う。ずっとうつむいているので、カーテンコールの時にしか顔は見えません。カテコの時彼を観ながら拍手を送ってしまった。座席によってはみえないかなぁ・・・じゃがいも君。